nekuraokra’s blog

ねくらな社会人。前職の頃にやっていたブログを再開!小田急線。関東内旅行と、アウトドアグッズ収集と、会話の書き起こしが主。雑記です。

平井堅「even if」歌詞狂おしいほど好き


鍵をかけて
終電を越えて
君がこの店から 帰れないように…

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2000年の平井堅さんの名曲です。

片思いをする男性が、思いを寄せる相手と二人で酒を飲んでいて、
男は「君」ことを好きで好きで仕方ないが「君」には恋人がおり、その男は特別な相手ではない。
でも二人だけでいる今だけは、僕のものでいてほしい。彼のことを忘れてほしい。ずっとそうしていてほしい。鍵をかけて閉じ込めたい。
普通の片思いの話。

BARでの二人のの情景が手にとるように伝わる歌詞
時折混ざる、ドロドロとした、でもストレートで胸を締め付ける男の感情の表現
歌い上げる平井堅さんの切なくて甘い綺麗な声。

全てが完璧です。
古今東西ありとあらゆる片思いソングの中で1番好きかも。
多分。

歌詞についてとにかく語りたいので、思いの丈を一部書きます。


基本的に「僕」の主観の風景描写や、感情表現で進行します。

序盤はグラスやキャンドルや相手の様子の描写で淡々と語っているのですが、
サビに近づくにつれ激しさを増していく相手=君 への思いや心の中の語りかけが中心になり
切なさや虚しさを高めていきます。

「君」の気持ちなんて所詮他人。
分かりっこありません。

その分感じる壁というか距離感があります。

たまたま見つけたんだってさっき言ったけど、
本当はずっと前から君を連れてきたかったんだ

キャンドルが優しく揺れるこの店のカウンターで
君は嬉しそうに彼にもらった指輪を眺めてる

君が何を考えているかなんてわからない。
もしかしたら「こんな指輪なければいいのに」かもしれないし、「実は彼とは無関係」かもしれない。
でも今の「僕」には表面しかわからない。彼への引け目もありますね。僕では君の彼にはなれないわけですし。

最初の二文で「たまたま見つけた」建前と「ずっと前から君を連れてきたかった」本音を歌詞上ではさらけ出しているので、なんか切なさ倍増。


「君」に関する描写がものすごく愛おしそうにされているのも特徴的。
歌詞を改めて見ると意外とそうでもないので、
平井堅さんの歌い方の力なんでしょうね。

君の心に僕の雫は落ちないけど
このバーボンとカシスソーダがなくなるまでは
君は 君は 僕のものだよね

感情が溢れるとか、心が渇くとか、何かと水やグラス(いれもの)で表現されがちな「感情」ですが、僕では君のグラスをいっぱいにすることも溢れさすことも、渇かすことさえもできない。本当に無関係。

心とか雫とかの抽象的な表現から、急にBARでの話に戻りますが、
雫とかいうオシャレな表現のおかげですんなり入ってきます。
お酒がなるなるまでは、君と僕は繋がっている。
君はを2度いう辺り、僕の必死感出ていてすごくいいです。

そしてサビ。

鍵をかけて 時間をとめて
君がここから 離れないように
少しだけ酔い始めてるのかな 本当の気持ちだけど
君も少し 酔った方がいい
そして僕の肩に 寄りかかればいい
だけど全ての言葉をまた飲み干して
君から目をそらした

平井堅さんの美しい高音が炸裂します。
控えめに言って最強。最高。
酔ったせいにして君への感情を爆発させる感じがめっちゃ出てる。
いい。ああ、いい。
これ歌詞については何もない。ただ、いい。
このサビについてあれこれ言うのは野暮ってもんだ。

一番はこれでいいのですが、ただ、二番の最後の歌詞についていろいろ都市伝説的な噂が広まっているのです。

平井堅さん本人の失恋話をもとに書かれている
→これって男性同士の歌っぽい?
平井堅ゲイ説(やっぱり)
という説。
その噂の根拠が、歌詞に出てくるお酒。

このバーボンとカシスソーダを飲み干したら
君は 君は彼の胸に戻るの?

鍵をかけて 終電を越えて
君がこの店から帰れないように

だけど残りのバーボンを今飲み干して
時計の針を気にした

そりゃかなり酔っ払っているけど
その責任は君なんだから


バーボンという厳つめな大人の男のイメージのある酒と、カシスソーダという女っぽいカクテル。
男女のグラスが並んでいるイメージはつきやすいです。

なのにその後、バーボンを飲み干した方が時計の針を気にする
→片思いの相手の「君」は男なのでは?
→登場人物全員男
という説。

始めてこの説を見たときにはホホウとガッテン、眼から鱗。

ですが私は違う論を唱えます

「時計の針を気にしたのは僕」説

どんなに想っても、鍵はかからないし時間は止まらない。じゃあもう帰れよ。期待させるなよ。
というやけっぱちな気持ちで「そろそろ帰る?」的なことを聞いたのではないかという推測です。

最後の「そりゃかなり酔ってる」みたいな感情的な表現から見るに、君の様子ではなく僕の様子だと思います。
君のせいだと。
最後、サビで力強く歌った鍵をかけて 時間をとめて 終電を越えて を弱々しく歌って締めるのもやけっぱちから現実に戻った僕の届かぬ願い感があって良いですね。


「僕の女々しい心表現してます」説
この歌の主人公、めちゃくそ女々しい感じするんですよ。
だめな男感と同時に、弱々しさ、女々しさを表現するのに、僕が飲んでいる酒はカシスソーダとも取れる表現を狙ったのかなぁとも。

ま、どうでもいいんです。
新曲もまぁ良い。尊い。PVも尊い

年末テレビでてくれて尊い
途端に語彙を失うオタク。
さいごに、平井堅さんの不思議な1日の過ごし方のグラフを貼りますね。

意味不明。最高。